book

「どうで死ぬ身の一踊り」西村賢太(講談社文庫)

私小説。作品どおりの人だったら編集者大変だろうなぁとか余計な心配をしてしまいました。中卒で親父が犯罪者で自身も酒乱で暴力沙汰を繰り返し同居する女性にたかりつつ手を上げる男、彼は古書マニアで、ある無頼作家に入れあげて古雑誌原稿私信やがては墓…

坂口安吾の推理(探偵)小説論

小林信彦「紳士同盟ふたたび」の巻末のミステリ論考で引用されていた坂口安吾の文章がすべて青空文庫にありました。いい時代だ。 「私の探偵小説」 解決のところを切りとったり、糸で縫いつけておいて、回覧して犯人の当てっこをする。平野謙が最も成績優秀…

最近読んだ本

「芝居の神様―島田正吾・新国劇一代」吉川潮(新潮社) 「雪村いづみ物語」大下英治(平凡社新書) 「偏屈老人の銀幕茫々」石堂淑朗(筑摩書房) 「映画渡世・天の巻―マキノ雅弘自伝」マキノ雅弘(平凡社) 「映画渡世・地の巻―マキノ雅弘自伝」マキノ雅弘(…

「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎(新潮社)

首相暗殺犯の濡れ衣を着せられた主人公の逃亡劇。警官だらけの仙台市街を逃げ回るんだけど街中にテロ対策という名目で導入された監視システムが張り巡らされているという設定が面白かった。文章は平易で読みやすく、登場人物たちはいちいち魅力的、ぐいぐい…

「ベルカ―」途中下車して「ゴールデンスランバー」に乗り換え。

「中原昌也 作業日誌 2004→2007」

昨日一気に。ライブとかイベントとか微妙にリンクしてて自分を振り返る部分もあって面白いです。徹底した散財ぶりは爽快ですらある。唐突だけど僕はマジメに働こうと思った。

「裸者と裸者」打海文三(角川文庫)

内戦で無政府状態となった日本を生き抜く孤児たちの戦い。長かったけどそれが嬉しいくらい面白かったです。

「真鶴」川上弘美(文藝春秋)

初めて読む川上作品。漢字とひらがなの使い方が独特。とても小さいんだけど効果的なショックがあってそれだけでも気持ちいい。登場人物ともつかない存在との奇妙な交流に映像化したらギャグになりそうな描写がたくさんあって怖いながらもなんか笑える。黒沢…

「夢を食った男たち」阿久悠(文春文庫)

「スター誕生」の誕生から書き起こされる昭和芸能界史。当時のテレビの作り手たちの奮闘を知ることができた。なんかなつかしくなっていろいろyoutubeで見てしまった。クリスタルキング「大都会」は大名曲(←もはや阿久悠関係なし)。

「少女には向かない職業」桜庭一樹(創元推理文庫)

「クリント・イーストウッド」中条省平(ちくま文庫)、「シネマ・ハント」柳下毅一郎(エスクアイア マガジン ジャパン)、「江頭2:50のエィガ批評宣言」江頭2:50(扶桑社)

お正月は映画本を続けて読みつつ「ダーティハリー」シリーズ、「夕陽のガンマン」などイーストウッドものと、柳下さんが褒めていた「理由」、そして大林作品では伝説(?)の「HOUSE」などをレンタルで見てました。

「誰か」宮部みゆき(文春文庫)

巨大コンツェルンの総帥の娘婿が主人公(職業は広報誌の編集者)。

「スピルバーグ」筈見有弘(講談社現代新書)

ASIN:4061488759 タイ料理屋で飲み読み。

「硝子のハンマー」貴志祐介(角川文庫)

最新の防犯システムを備えたビルの最上階で発生した密室殺人に、警備のエキスパートが挑む。 冒頭のさえない警備員の描写(深夜の水着番組をだらだら見ながら酒を飲む)から引き込まれて、事件発生、名探偵登場とテンポ良く引き込まれた。読み手の推理をわず…

「犯人に告ぐ」雫井脩介(双葉文庫)

「劇場型捜査」と銘打って警視がテレビ出演し犯人と対決する斬新なミステリ。トヨエツ主演映画の予告編を見て読みたくて仕方が無かった作品。ちょっと重要な部分でずっこけたけど一気に読めた。テレビの描写は、実際に画面で見てるようなリアリティで、映画…

「THIS IS ROCK !!」江口寿史(角川書店)

平成6年刊行の、マンガエッセイ、同年輩対談、ご近所マンガなどなど。

「恐怖への招待」楳図かずお(河出文庫)

談話をまとめた(?)という感じのエッセイ集。生い立ちとか科学とかSFとかもちろん恐怖とか面白いっす!

「東京大学応援部物語」最相葉月(新潮文庫)

ASIN:4101482241 理不尽に絶えることで濃密な人間関係を作り上げ、ついていけないことを「逃げた」という罪にしてしまうシステム。すごく気持ち悪いと思いつつ、高校の部活なんかを思い出したりして共感したり、でも何回も転職してる自分もいて嫌な気分にな…

「フェルマーの最終定理」サイモン・シン、青木薫訳(新潮文庫)

3世紀に渡って解かれることの無かった難問に挑んだ数学者たちの軌跡。そもそもの議論の土台となる数論のなりたちから、その謎を提出したフェルマーの生涯、そして現代に生きる現役の数学者アンドリュー・ワイルズの苦悩と栄光まで、丹念に積み上げられる美し…

「映画のこわい話」黒沢清(青土社)

黒沢清対談集。青山真治に始まりハスミンで終わるという鉄壁の布陣。 青山真治が自分の頭の中の中高生に向けて―と言ってたのが印象的だった。

「笑う警官」佐々木譲(ハルキ文庫)

道警を舞台にした24時間のタイムリミット&チーム物ミステリ。見た目濃い味だけど意外とあっさりみたいな。

「ミッドナイトイーグル」高嶋哲夫(文春文庫)

グイグイ引きこまれて一気読み!なんだけどうう…釈然としねえっす。

「双生児」クリストファー・プリースト著、古沢嘉通訳(早川書房)

面白い。でも解説読んで全然わかってないことがわかって再読開始。そしたらぜんぜん違って見える。面白い。でも(無限ループ)

「麻雀放浪記」阿佐田哲也(文春文庫)

麻雀全く分からないけど楽しく読めた。積み込みとか全自動だとできないのかな。

「ぜんぶ手塚治虫!」手塚治虫(朝日文庫)

いつも手塚関連で気にするのはある漫画家さんの名前が出るか否か。ここでも出てきてない…と思う。

「圓生の録音室」京須偕充(ちくま文庫)

川柳川柳師匠の元師匠。「突飛な芸人伝」を読んで感じた気難しそうな印象は変わらずというかホント堅物で食えない感じが怖いと思った一方で、表面に出てこない人間的魅力をうっすらと感じることができた。ぜひ落語を聴いてみたい…そういえば円生の「文七元結…

「日本映画に愛の鞭とロウソクを―さらば愛しの名画座たち」快楽亭ブラック(イーハトーヴ出版)

近所の古書店で発見。91〜98年までの映画評。大学時代とほぼ重なってるので懐かしく読んだ。原一男に渡辺文樹を追ったドキュメンタリーを撮らせたいとの一節にガンダーラ映画祭のことを教えればよかった!と今更な後悔。いや連絡先知りませんけども。

「世界の喜劇人」小林信彦(新潮文庫)

近所の古書店で発見。灯台下暗し。

「いちど話してみたかった」小林信彦(情報センター出版局)

ASIN:B000J7EF0U 83年発売の対談集。大瀧詠一、たけし、志ん朝、そしてそして横溝正史!など豪華なメンツにクラクラ。でも一番スリリングだったのは安藤鶴夫の第一声「あなた、談志は嫌い?」にギャフン!

「丸山健二自選短篇集」(文藝春秋)

ASIN:416311050X 吉祥寺「BASARA BOOKS」にて購入。