「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」佐藤優(新潮社)

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
恥ずかしいことだけど鈴木宗男議員と佐藤氏に対するイメージが一変した。厳しく仕事を遂行することで組織の中にある種の軋轢が生まれて、それがある瞬間に噴出、国家的な犯罪者に仕立て上げられてしまうことがあるということを知った。「噂の真相」みたいな面白さと言ったら失礼かな。組織の目的が組織を守ることと矛盾した場合は目的達成より組織防衛が優先されるのは、まあ当たり前で、その役割を担うのが検察で、重箱の隅をつつきまくるような取調べや調査によって犯罪を仕立て上げる「国策捜査」が粛々と行われるのだった。
今回の「鈴木宗男事件」が、分配から傾斜へ、ナショナリズムの強化といった小泉政権以降の日本社会の質的転換のキッカケであったという著者の指摘は大変に興味深い。
本書を薦めてくれた区長に感謝します。あと読むキッカケは週刊文春小林信彦氏のコラムでした。
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組織ってそんなにまでして守らないとならないのかな。
サンプロで弁護士の人がホリエモン逮捕について「国策捜査」と言ってた。一般的な言葉なのか。