「消し屋A」ヒキタクニオ(文春文庫)

消し屋A (文春文庫)
殺しの痕跡含め事件性すら消してしまう「消し屋」幸三。博多で旧知の親分から請け負った仕事は一人のプロ野球選手をある試合の間だけ消すという奇妙な依頼だった――
軽いステップで読み進められてなにより人物造形が素晴らしい。楽しい時間をもらった。物語と全然関係ないしホンの数行だけどリリーフピッチャーがマウンドに向かう途中「頼むぞ壁、頼むぞ壁…」(壁=主要登場人物のキャッチャー真壁)とつぶやくシーンで涙。信用は金で買えないなあなどと当たり前のことを感じた。