「荻昌弘の試写室 日本映画編1960-1966」荻昌弘(砂書房)

※本書は「週刊朝日」(昭和35年〜41年)に掲載された荻昌弘担当の<試写室>の欄より、日本映画を選び1冊にまとめたものです。
「用心棒」(61年)について娯楽作として高く評価しながらも面白さだけではないはずという疑義を提示して、「赤ひげ」(65年)について「私たちが欲していた黒沢の作品である」と評価しているのが興味深いが、それよりも納得したのは「用心棒」についての以下の部分、
例によって、セリフだけは、力あまっておよそききとりにくいが
黒澤作品を観るたびに畳みかけられる早口のセリフに困惑してたんだけど、当時からそう思われてたのね。「刺身にしてやる!」