理系は報われているか

http://www.moriyama.com/diary/2003/diary.03.07.htm#diary.03.07.06
教師をしていた叔父に理系離れの理由について問われたことがある。「数学の教師が悪いのではないか」と答えたのだが、中学校の数学教師は、数学科ではなく教育学部数学教育を学んでいるだけで、大学一年程度の数学にしか触れていないらしい。トポロジーとか基礎論とか関数論とか測度がどうとか、ややこしいけど奥深く、きっと面白い、恐らく世界レベルの研究実績を日本は持っているにもかかわらず、そんなこととは無縁にただ数学を教え、生活指導に疲れ、社会から叩かれ、尊敬もされず、夏休みも出勤し、校長や組合や親や生徒にぶつぶつ言われる割に合わない生活をしてる教師にクリエイティブな授業を期待するのが間違っているのかも知れない。
なぜ数学を学ぶのかといえば、やはりまず面白いから、教師が面白がってなくて、生徒に面白さが伝わるはずもない。学んでいることがどこへ、どうつながっているのか、その先にどんな未来があるのか、いくつもの流れのたった一つでも生徒に伝えられればいいのではないでしょうか。たとえばゲーデルとかフーリエとかカントールとかって先生方知ってるのかな。ともかく文系の学問みたいに権威で価値が左右される(偏見)こともなく論理の前で全て平等に論議できる楽しさは、理系ならではのものだろう。社会に出ると権威や立場で価値観を押しつけられることは意外に多い、てかそんなんばっかし。