「HERO」(監督:鈴木雅之)

見ました。@新宿アカデミー。傷害致死事件を担当することになったキムタク氏。自供も取れて楽勝かと思われた公判で突如無罪を主張する被告、背後に控えるやり手弁護人、さらにその後ろには大物政治家の影が―。
TVシリーズが高視聴率を叩き出しているときになんでそんなに人気あるの?っていう記事を書いたことがあって、いろんな人に話をきいても「なんでかわからないけど見ちゃう」「面白いっていうほどでもない」「惰性」という微妙な結論だったわけですけど、基本的にキャラクターにのっかった脚本でロジックの細部は甘くても構わないという割り切りはTVと変わらず。客層を見切ったつくりというか、それは決して悪くは無いです。サプライズはなくともテンポはいいし、引きに乗っかっていける。ただ豪華なゲストたちがキムタク氏より知的に劣った印象になってしまうのはもったいないかな。この作品のキムタク検事と「模倣犯」中居君との対決は見てみたいと思った。
階段状の街で繰り広げられる韓国ロケは、風景や地元の人々、現地の担当事務官(ぺク・トビン)のベタな設定含め頑張ってるなあと思わされたシークエンスで好感。香川照之は役柄の深みや広がりを異常な表情や髪型や姿勢でさりげなく(?)付加してて目が離せなかったです。
なんか前提を共有できてないなあと思って見てたらTVシリーズとこの作品の間にTV特別編があったのですね。知らなかった。
というわけで特別編を見ました。山口の田舎町で起こった殺人事件。地元産業の重役で人望を集めている男が自首(24日追記:今見たら自首じゃなかったね)、取り調べる検察に地元民は反発するが―。
キムタク氏につく事務官に堤真一。安定した仕事と割り切って淡々としていた彼が突如出現した熱血漢に戸惑いつつ巻き込まれ人生の喜びを見つけていくというラインは一貫してる。というか同僚どころか犯人までも情にほだされちゃうっていう…。もう一層深いところには切りこまないのが作法なんだろうなあ。
とか安心してたら最後にフック一発!これ見てからのほうがいいですわ映画。