「楽日」(03年台湾)監督:蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)

ユーロスペースにて。
何も知らないほうが楽しめると思うので情報を仕入れずに見に行くことをお勧めします。ってそれだけじゃアレなので、旅先で映画館に入ってしまうような映画館好きにはたまらない作品かと。
とある映画館の最終上映、オープニングからエンディング、片付け、スタッフが帰るまでを淡々と描いた作品。淡々とした中にもちょっとした仕掛けがあって飽きることなく見続けられる。
ラスト近く、空の客席ばかりが映るシーンを見ながら絵本のような作品だなと思った。パッと思いついたのは一枚の絵の細部までが楽しめる安野光雅。手の込んだ絵画と、歴史ある風景を映している数十秒間を同じように感じた自分に不思議な気分になりながら絵本の楽しさについて考えている間も空の客席がスクリーンに映っているようなそんな映画。面白かったっていうか味わい深い。