「パッチギ!」

GSを見て即マッシュルーム、しかしモテには程遠く周囲の失笑を買うボンクラ高校生(当然DT)が朝鮮高校の女子に一目ぼれ、しかし彼女の兄貴は喧嘩上等、パッチギ(頭突き)が必殺技の番長だった!!!! 吹奏楽部でフルートを吹く彼女に近づくため、ボンクラ野郎が手にした武器はフォークギター、朝鮮高校で聞いた曲(と朝鮮語)を猛練習。その曲とは当時政治的理由から発売はおろか放送すら禁じられた「イムジン河」だった――
いやぁ面白かった!!!!! また見に行こう。若い役者たちが自由奔放に暴れまわり肉体と感情をぶつけ合う。ううオッサンには眩しすぎます。
気弱さと意思の強さを見せる主役の塩谷瞬(ボンクラにしては男前すぎたかも…)のクライマックスを支える熱唱には見事な説得力があった。いつも困った表情のヒロイン沢尻エリカは一目ぼれも納得の可憐さ。馬鹿トリオの高岡蒼佑波岡一喜・尾上寛之らはキャラクターを一瞬で説明できる面構え、彼らだけで少年愚連隊のサイドストーリーができそうっていうか「ガキ帝国」の三人じゃんね(ちなみに映画秘宝の井筒監督インタビューによれば密入国の若者は趙方豪の甥っ子とのこと)。オダギリジョーのヒッピーもアホで良かった。見たことのない(覚えてない)役者さんばかりだったんだけど、知らなかったことを一番悔やんだのは生活に疲れたスケ番の真木よう子。あと半チチ露出の熱演でドキドキさせてくれたのはナント虎ノ門でカントクと一緒に映画観てる楊原京子。エロい、いや偉い!
こうなるとベテランにも触れておかなければ、さりげなく脇の臭いを確かめる光石研アボジ前田吟都はるみファン)、オモニキムラ緑子(生活感溢れ過ぎ)、長老笹野高史(やり場の無い怒りを主人公にぶつけるシーン素晴らしい)、そしてラジオディレクターを演じた大友康平の台詞で〆させていただきます(※うろ覚え)。
「この世の中に歌っちゃいけねぇ歌なんかねぇんだよ!」