「彼女が死んじゃった。」(#5まで)
録画してない第1話(…未見、激しく後悔)を除いて一通り見返した。
ダンサーとしての夢を追いながらも女を追う日常に埋没していた安西ハジメはいつものように行きずりの女を抱いた、しかし一夜限りの逢瀬のはずがその彼女が自殺、遺書はなく彼には彼女の携帯電話と金魚が残された、携帯のメモリを頼りにハジメは彼女の可愛い妹と地味な婚約者とともに3人で自殺の原因を探り始めるが、実は「毛布がわりにした女」の死因に興味はなく、ただ可愛い妹を狙っているだけ、携帯に登録された番号をひとつづつたどるうちに明らかになる彼女(石井ゆかり)の過去。怪しいセミナー通い、キャバクラ嬢、サイクリングクラブ、コンビニの客、作詞家…自由奔放に人生を謳歌している(ように見えた)ゆかりに周囲の人間は振り回されながらもそれぞれの心にしっかりとゆかりが息づいていることをハジメたちは知ってゆく、そして3人も心の中のゆかりと再会する、あこがれの人を寝取られた妹、11年間片思いの“婚約者”、そして遊びだと思っていたハジメは、自由奔放≒目的が見つからず「生き迷う」ゆかりがハジメの中にも自分と同じ「届かない夢を追う」部分を感じながら二人で「強く」「熱く」なりたいと思っていたことを知り激しく動揺する、鏡像の自分が自殺し「あなたはわたし」という遺言を残されたハジメ、理由を問う相手はない−−。安西ハジメはこれからどう「生きる」のか。
という人生の意味を問うような重厚なテーマはあくまで最下層の下敷きで表面は軽いノリのコメディだからたち悪い。さらに美しい海と空と雲の風景、劇中に使われるだけの曲に手抜き無し真剣勝負の音楽、深遠なコトバを饒舌にサラリと流してしまう潔い演出、それらに応える役者たち、特に長瀬くんは素晴らしい、涙を拭いながらの「バーカ…」はなんかわからんがスゴかった、石井ゆかりを思い出して泣いてる安西ハジメがいた。